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休暇村について

 全国36か所にあり、国立・国定公園の中に建設された宿泊施設である。環境省関連の財団法人休暇村協会が運営している。部屋数は70程度の所が多い。

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1)ローケーション
 国立・国定公園内に広大な敷地を有しており、民間には決して真似のできない立地である。敷地内に観光スポットがある場合(この場合、外来者も当然に利用できる)も多い。一方、箱根、軽井沢、有馬というリゾートクラブが集結する観光地にはなくて、日光でなくて湯ノ湖、山中湖ではなくて身延線沿いの田貫湖という具合である。

2)部屋
 作られた時期にもよるが、概ね保養所的である。8畳か10畳程度の和室にトイレ・洗面所付いた部屋が主体、洋室・和洋室は限定的だが、バス付きの場合もある。建てられた時期が遅かったり、リニューアルした施設では、洋室を多目にしているようだ。一般的には、部屋のタイプは予約時に指定することできる。

3)食事
 素泊りも可能のようだが、近くには飲食施設がないロケーションなので、ほとんどの人が施設で食事をとるようである。夕食は、通常時は和食の会席コースだが、繁忙期はバイキングのみの場合が多い。レストランは2回転を前提にしないので、繁忙期にはバイキングしか準備できないのである。逆にバイキングに特化しているので、厨房なりオープンキッチンで調理された真っ当なものがタイミング良く置き換わるので規模のメリットがでている。バイキング、コースとも料理は地元の食材を多用して、味はなかなか満足できるレベルだと思う。

 会員制リゾートは広範な顧客の要求を満たすため、和洋中、しかもそれぞれ様々のコースを用意しているところもあるが、そのために莫大なリソースを必要とする点を考えると休暇村のシンプルな食事のコスト競争力は高いと思う。ただ、スタッフの質と数に限界があるためか、コースの場合、料理の出すタイミングやサービスの質は改善すべき点もある。

 また、一品料理はいわゆるレストラン価格ではなく、地元の食堂価格で、満足度が高い。ただ、生ビールがハートランドであったりして、割高であるのが難点である。朝食はバイキングが主体となっている。

4)大浴場
 一般的に温泉であることが多く、露天風呂を併設しているケースが多い。昼間は外来入浴を実施している場合も多く、風呂の大きさ、脱衣所、ガランの数は宿泊キャパに比べて大きめなようである。それからロビー、レストランを含めた館内全体で、浴衣、スリッパ着用可能である。

5)サービス
 チェックイン3時、チェックアウト10時。原則として、バゲッジサービスはなく、荷物は自分で運ぶ。例外的だと思うが、日光湯元ではバゲッジサービスがあった。スタッフは気さくで素朴なホスピタリティはあるが、宿泊者をクスグるようなサービスは期待できない。

6)イベント
 夜のアトラクションや朝の散歩会等、毎日イベントを開催している。参加料は無料か実費程度で楽しめる。

7)料金
 1泊2食プランが一般的で、11,000円~13,000円程度が標準である。多分公共の宿の中では高い方の極にあり、低価格志向の保養所プロバイダーや旅館再生業の施設に比べ明らかに割高である。よって、客層は非常にノーマルで、穏やかな家族連れやリピーターも多い。スノビッシュな人は公共の宿には目もくれないし、安さだけを追求する人も来ないため、顧客層は非常に常識的で法人会員を受け入れている会員制リゾートよりむしろよいかもしれない。

 施設側は客がそれなりの値段を払うことに付加価値を求めていることを理解しているので、清潔な部屋、大浴場、食事の質にはかなり気を使っているようである。リゾートクラブの会員使用料金と重なる料金帯であり、初期投資分の回収が必要ないという点でも類似している。

8)予約
 予約は6カ月前から利用施設に電話して行う。ネットでは3カ月前から可能であるが、繁忙日は既に一杯だったり、利用できる部屋が限定されていたりして、施設側からの空室対策の意味合いが強いようである。本能的に未来をデザインすることを志向する会員権フリークにとって、6か月前に確定できることは最大の魅力であって、一般ユーザーよりうまく利用できる可能性を秘めていると思っている。

9)Qカード会員
 50歳以上であればQカード会員入会の資格がある。入会金、年会費無料で宿での支払いの5%のポイントがつき、次回以降利用可能となる。4半期毎に約60ページの会報誌{倶楽部Q」が配布され、旅心をくすぐられる。休暇村が肌に合うと感じたら、50歳以上であれば入会しない手はない。

10)キッズクラブ
 小学生以下であれば、入会可能である。2年間に3泊すれば、1泊2食の無料宿泊券がもらえるシステム。それ以外に施設によってはプレゼントや特典もある。

11) 利用補助
 公共の宿なので、会社員ならば、会社の福利厚生制度、健康保険組合から利用補助がある場合がある。また、ねりまファミリーパックのような居住地の共済制度に加入しているならば、その補助を受け取ることが可能である。私の場合、一番条件の良いねりまファミリーパックを使い、家族3人なので、特別期間(2泊まで)は8,000円、一般期間(3泊まで)は6,000円の割引を活用している。

12)総合評価
 部屋の広さは会員制リゾートクラブに比べて明らかに狭いが、自然に包まれている感覚や気楽さは他では圧倒的にまさる。気楽さやセルフサービスが苦でなくて、自然が大好きな人には向く施設でリピーターになるに違いない。一方、豪華な施設でチヤホヤされることが好きな人は二度と足を向けないであろう。

13)リゾート会員フリークへの提案
 前回記したように、連休等の転泊の機会に一泊目に利用し、2泊目は慣れたリゾート会員施設を利用したらどうだろうか。1泊目はいつもと違った豊富な自然と気楽さに新鮮さを感じ、2泊目は慣れた施設でまったり過ごすことができる。関東周辺であれば以下のような組み合わせが考えられる。
那須    ⇒ 那須
日光湯元 ⇒ 鬼怒川、那須
鹿沢高原 ⇒ 蓼科、軽井沢
妙高     ⇒ 蓼科、軽井沢、安曇野
乗鞍高原 ⇒ 蓼科、軽井沢、安曇野
館山     ⇒ 勝浦
南伊豆   ⇒ 伊豆、箱根
富士     ⇒ 山中湖、箱根

 まとめると、休暇村の特徴は、豊富な自然と良い客層の中で、会員権リゾートとほば同一の価格帯で安心して宿泊することができて、しかもそれが6カ月前に確定できる点にある。その意味で会員権リゾートの補完になりうる施設として紹介した次第である。次回はかんぽの宿について触れたい。

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コメント

実際に休暇村には行った事はないかもしれません。
研究もしたことはないのですが、今も山の番組みていたせいか、このバイキングがハイキングと読んでいました。会員制のホテルが行きたい所にすべてあるわけではないので上手に利用できるとよいですね。

休暇村どこにあるのだろう。
一覧表でも作っていただけるとありがたいです。
2枚の写真はどこですか?歩きたいですね~(笑)

私は、どこでも泊まれます(*^。^*)

チョコたん こんにちは

この写真は、この夏、休暇村乗鞍高原に宿泊した時のもので、最初のは乗鞍の畳平で、次のはお部屋からの景色で、多分、木塀の部分は露天風呂の囲いの一部ではないかと思います。畳平はこの休暇村の前にあるバス停から50分位バスに乗って行く標高2,700mの高山植物のお花畑です。さすがにこの夏でも長袖を着ている人が多かったです。

休暇村のリンクを張っておきます。立地が大自然のなかというのがこの施設の特徴です。

http://www.qkamura.or.jp/

全国にあるのですね!
結構いいお値段してるのでびっくりしました。名前からのイメージだともっとお安いのかと思いました。

利用する方もそれなりの覚悟でいくので郷に入れば郷に従え、期待しないでいけばイベントもあるようなので楽しくすごせそうですね。

会員制ホテルも使いこなせてはいないです。あちこち行きたい方なのでじゃらんとかネットで探したり、クラブツーリズムでさがしたりいろいろです。

秋も団体でどこへでかけようかと思案中ですが、言いたい放題でまとまるものやら。高齢者が多いので足の便を考えると国民休暇村はむかないでしょうか。もう、そろそろ考えないとならなくて。

去年は、小豆島。今年は、沖縄か北海道がいいとか。全く自信がありません。

チョコたん そうなんです。意外とよいお値段です。
内容からするとエクシブの宿泊プランに比べ、2、3千円高い感じです。ですから、私は年会費6,000円のねりまファミリーパックに個人で加入して、家族3人で、一泊当たり、6,000円~8,000円の割引を受けて利用しています。

団体の旅行は楽しいけど、なかなか面倒ですね。宿泊施設周辺になんでもあるところか辺鄙な所のどちらかにしないとまとまりがつかなくなります。

ご紹介有難うございます。
昨日は休暇村のHPで近場をいろいろ見てどこがいいか考えていました。近場の富士はほとんど満室。滞在プログラムがあって、一人宿泊を受け入れてくれるし、一人で行っても遊んでもらえそうなのでとても魅力的です。予約を取るには半年以前からの計画が必要ですね。

施設によっては休前日も空きが多いところもあり、人気が無いのかなって思いました。
乗鞍がお勧めでしょうか?他にもお勧めの施設を教えてください。

ACAさん、こんにちは

私の記憶では、富士は休暇村の人気番付1位です。その他、リニューアルしたてということもあって南伊豆も人気のようです。

私のおすすめは、日光湯元で、ここの乳白色の温泉は最高です。湯ノ湖の湖畔にあって、自然一杯です。我家は3人なので和室しか泊まったことがないですが、ツインルームが特に良いようです。次の連休は鹿沢高原に行きますので、調査してきます。

私も2~3回使ったのですがそのたびに腹が立って・・・

「(広大な敷地とその景観整備をみて)いったいいくら税金をつぎ込んだのだ、そしてこの利用者の少なさは・・・余りにも費用対効果が悪すぎる。ほとんどの国民はこれを利用することはない。結局役人が勝手なシナリオを作って、大金を使って役人の天下り先を作っているだけじゃないか。」と腹が立って来るのです。
国が貧乏になって補助金が切れたら宿舎は成り立たず、宿舎無しでは人が訪れることもない所なので、公園として残す意味もなく、すぐに山林に戻り、子・孫の世代に借金だけが残るという結末が頭に浮かびます。

シルバーユーザーさん こんにちは。

確かにこうした公共の施設は利用しない人には無駄かもしれないですね。民間と公共のすみ分けをきちんとしてなぜ国がやるべきかをはっきりさせる必要があります。私としては国立公園内なので、民間でないセクターがやる必要があるとしてこの休暇村の意義を支持しています。

因みに、以下のリンクに休暇村の最近決算があります。

http://www.qkamura.or.jp/share/pdf/qkamura/1006shomi_zai.pdf

これによると、休暇村は昨年度187百万円の補助金を受けたようですが、166百万円税金を払い、期末の正味財産を445百万円増加させていますので、赤字垂れ流しではない健全な事業体のようです。利用者としては、この利益の還元と天下り役員の報酬を減らしてもっと安い利用料にしてもらいたいです。

chessmennさん、
あ、意外に健全ですね。補助金が無くても黒字のようですし、年金からの借金もまだ110億円残っているけど返済を続けているようだし、設備投資も減価償却費の範囲で適宜しているようだし。

でも、園部や駐車場などは公共施設と称して国や地方が面倒見ているのですね。地代もほぼタダだろうし。

年金積立金を使ってグリーンピアを作った厚生省がその柳の下として仕掛けたのが国民休暇村(その後環境省に移管)。当時役人の天下り先としてサンプラザ、厚生年金会館、サンピア、ハートピア、メルパルク、簡保の宿、厚生年金休暇センター、など続々とこの手の物ができましたね。グリーンピアが2000億かけた設備を50億でたたき売って事業を停止したのに、国民休暇村は生き延びたのはまあそれなりに健全にやっていたのでしょう。

血税をそれほど喰っている訳ではないことが分かりました。ありがとうございました。心おきなく利用することに致しましょう。

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